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挑戦する脳/茂木健一郎


障害が飛躍を生む。
脳はオープンエンドだ。
完成することなく、学習し続けるものである。
だからして
「偶有性の海に飛び込め」
不確定要素、渦巻く必然と偶然の中へ身を投げろ。
は、茂木氏の提言だ。

その成功するか失敗するか、
そもそもそれが正しいことのなのか間違っていることなのか、
分からない中で奮闘することこそ、脳を脳たらしめるのである。

とはいえ渦中の不安は、すさまじかろう。
そのためにルールができ、慣例が行く先を保証したとして、
挑戦することを止め、そこに安住してしまえば、
オープンエンドという特性を生かせず、
飛躍を忘れて「私たちの生き方はやせ衰えてしまう」のである。
そしていつからか挑戦をやめ、すっかり安住してしまった日本は、
あの震災を機に、なお痩せ衰えた有様を明白とさせたのではなかろうか。

どうあがいても「できないこと」の多さに気づいた茂木氏は、
ルールと慣例に浸かり過ぎ、縛られ、挑戦を阻まれ、弱り切ったこの状況を憂う。
だが同時に、それら新たな障害こそが、
我々へ最大の挑戦状をたたきつけているのではないか、とも提言するのである。

脳はオープンエンドだ。
障害が飛躍を生む。

仕事に私生活、日々変化してゆく状況や環境に挑むことも、
自身に障害を持つ人々がそれを乗り越え、世界を広げてゆくことも、違はない。
挑戦に特別は何もないのである。

何ら書き込まれていない真っ白な中へ飛び込むこと。
挑戦はそれ自体が脳の持つ、本来の生理なのだからと。
 
N.riverには目を覚ませ、みんなでいっちょ、やろうぜ、
と呼びかける熱い茂木氏の姿が見えてならなかった。


そんな茂木氏に最初、興味を持ったのは、
「クオリア」という概念の存在を知ったせいだ。
だからだとして『クオリア降臨』という本を手に取ったのは、
いつも通り計画性がないうえに安直だといえよう。
しかし内容は、いい意味でN.riverを裏切る。
ということで、次回はその『クオリア降臨』で。
 

★日々がつまらない人
 なんだか閉塞感を感じている人
 夢へ向かって、偶有性の海を泳いでいる最中の人
 そんなみなさんへ、おすすめです
 言葉は平易、200ページほどの新書なので
 すぐに読めてしまいます
 読んで熱くなろうぜ