創作の極意と掟/筒井康隆
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あの巨匠がその手の内を明かす、というのである。 たとえ身につこうがつくまいが、目を通しておきたくなるが人情、というものではなかろうか。 これまでいくつか実験的小説を挙げて来たが、 負けず劣らず実験的手法で次々作品を生み出してきた氏こそみのがせまい、 と、まさに神棚へ御冊子を掲げてのち、拝読させていただいたN.riverなのであった。 思った以上、多岐にわたる掟が箇条書きとなっている。 中にはピンとこないものもあれば、ヒザを打つもの、自身もトライしてみよう、と思わせるものと多彩な内容だ。 同時にこうした手順を経て、あれだけの作品が世に排出されているのだ、ということも知ることができる。 中でも一番、心と記憶に残っているのは素人でも実践可能な「凄味について」である。 読者にとって分かりやすい文章。伝わる、伝える書き方。 世には様々なセールスポイントがあるものの、 文字というデジタルな配列が「意味」を越えて伝えようとするものこそ書かずにおれない「熱意」であり「凄味」であるとするならば、書き手にそれはいかほどあるのか、突きつけられた気分だった。 あなたにそれは、ありますか? 他もどうぞご一読いただければ、さらなるステップアップが目指せるかも。 |