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ブルース/花村満月


もーいや。
N.riverは決心する。
いつから小論文になった、ここは!
すちゃだらぱー、ぱー、とこの場を楽しみたい。
だから、ぶひひぃ、と卑猥な微笑みもらし、
本書を取りあげることにしたのであった。

本書はN.riverが背表紙の「書下ろし暴力小説」
というあおり文句に惹かれて手を取り、
(オッペケペーなおつむがバレる)
書き出しより醸し出される泥臭さに引き込まれるがまま、読んだ一冊である。

さて、花村氏のほかの作品もそうだが、
この作品もとにかくエロい。
ああ、エロい。
そうとも、エロい。
とどめと念押し、エロエロなのだ。

それは具体的にあれやこれや、でエロいこともひとつ。
くわえて、決してカッコよくない、
まったくもって哀れと薄汚れたアウトローな登場人物らのまとう色気が
たまらんエロいのである。

知るところでは満月氏自身、
そんなアウトローと非常に近しい生活をしておったらしい。
(しかし指は10本あるはず)
だからして描かれている暴力にアウトロー世界も、あおり文句通り半端がなく、
N.riverの中では大好物の北野武映画と、重なるほどなのである。
そこへエロを加えたりするのだから、まあ
女、子供へは読んでるよ、と言えない内容になるのは
お察しいだだけよう。

だがそれは見えるところでしかないのだ。
読んだからこそ、N.riverは主張したい。
それら過激なディテールを吹き飛ばすほど本書に詰め込まれているのは、
タイトルにもある『ブルース』、その魂なのである。
ばばばんっ!
効果音入り。
ずずんっ!
リプレイつき。

ならばその『ブルース』とはなんぞや。
奴隷時代より、黒人らの間での労働歌が原型と言われたジャンル、と
ウィキ先生などはおっしゃるが、
その神髄を掴むことは、日本人で奴隷でもなければ、なかなか難しい。
そして花村氏も安易にこうだ、とは言っていない。
だが物語が進み、エピソードが重なるうちに、
ブルースってぇのは、こういうモンさ、
とやがて全体が歌い始めるのである。
聞こえてきたなら、
エロにしろ暴力にしろ、
本書を決してゲスに陥れないそれこそ魂、とでも書こうか、
それらが内より神々しく、浮かび上がってくるのである。

この激しくも透き通った鬱の
なんともはや色っぺーことよ。
いや、
まったくもって
まだいうよ、
たまらん
エロいぜ。

書ける花村氏の人生とは、きっと壮絶だ。
物語として昇華することのできるメンタルそのものに、
N.riverは惚れるしかなくなるのであった。


★セックス アンド バイオレンス
 そのままんまです
 切ったり 潰したり
 色んな意味で「グロ」「痛い」
 に弱い人へはおすすめしません
 耐えられそうな方のみ
 腹くくってどうぞw