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16. いつかどこかで




賞レースも書籍化も、ほとんと言うと興味がない。
それを「欲」がないというべきか、「意欲」がないというべきかも分からない。

どうやら、誰かに届くことが前提でその先を想像するよりも、
おいらは誰かに届けばいいな、と夢想する方が好きなようだ。
それくらいのボリュームが、己が人生にも符号しているし。

この目立たない、華もない、心地よくもなければ、楽しげでもない地味なそれを見つけて目を通したその人の中に、何か残せたらと思う方が、断然ときめくのだ。
ばかみたいだけど、がぜん気持ちがキラキラするのだから仕方ない。

そんなうちはきっと書くことを続けていられると思っている。
そういえば、モノツクル人なら「出荷せよ」といったのは、ジョブズだっけか。

とりあえずざっ、と思いつくことだけをここへ書きならべてみた。
少しでも興味を持ってのぞいてくれた人、いたらありがとう。
どこかで再び思い出してもらえるようなことが書けていたら、とても嬉しい。
そうしてあなたの中に住まうことが出来たなら、名もないおいらにとって百万冊売れたところでかないはしない功績だ、と思っている。

いや、まじで。