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ポイズン/赤川次郎


絵本を脱した中学生の頃、流行っていたのは、赤川次郎氏の作品だった。
だが『三毛猫ホームズ』シリーズは一冊も読んでいない。
相変らず、どこかズレているN.riverだ。

中でも本書『ポイズン』が記憶に残るそのわけは、
赤川氏にしては珍しく、暗くシリアス色の強い作品だったからではなかったかろうか、
と振り返るのである。

それまでたいがいN.riverが読んでおったのは、
有機物である主人公が一貫して物語に登場し
その視点でつづられる物語だった。
だがここでは無機物である毒(有機化合物かもしれないがw)
が中心となり、
その周りで起こる事件のあれこれがつづられている。

まずこの毒視点、というパターンが初めてで、
語らず干渉せずの主役というのにも、当時、ずいぶん衝撃を受けた。
また善人が飛躍するよりも、悪人が暗躍するイメージも、
それまでの赤川次郎作品とは一線を画しており、
大人っぽさに驚かされたことを覚えている。

ところで、
痕跡をのこさぬ完全犯罪が可能な毒を手に入れたとして、
これは渡りに船、と閃くのかどうか。
すでにその心理が『毒』なのだなぁ、と
善人ぶって、表を眺めるN.riverなのであった。
 

★毒にまつわる短編が数話
 入って一冊になっています
 移動時間にちょちょちょと
 読むにもってこいだと思いました
 偶然にも2012.10末現在
 深夜 連続ドラマとして
 放送されているようなので
 まずはそちらからどうでしょう?