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困難な結婚/内田樹


このレヴューを投稿するに当たって、基本情報として開示するならわたしは未婚であります。

そもそも他人と、あたかも身内のように暮らす不自然さが腑に落ちず、
さらに言えば自分ではない者のことなど、逆立ちしたって想像の域を出ず、
どことなく表面的な平穏と日常に、不気味さすら感じてみたり。

は、少し大げさだとして。

ともかく親しいという錯覚の元、赤の他人とパーソナルスペースを分け合う違和感に夢など持てず、
だからこそこのタイトルに手を伸ばしたわけでした。
つまり結婚が幸せのゴールである、とも思っていないわけですね。

さて、どうやらそれら見解は間違っていないとのこと。
一行で断定するのはあまりに乱暴ではありますが。

だからしてうまくゆくはずのない困難な結婚生活を、
愉快にやり過ごすための『コツ』がここには挙げ連ねてあります。
(決して、現代においていかに結婚することが難しい行為であるか、を説いたものではありません)

それはパーソナルな一方、社会的な側面を持つもの、セーフティーネットでもあるのだということ。
他者を己が身体の延長線上に置いてはいけない、それDVです、ということ。
そしてなにより、古来から続くこの制度の合理性は信用するに値するのだから、
運命や定めはなく、モラルの破綻している方は例外として、結局、誰と結婚しても同じだということ。目移りしても無駄。

以上より、これからどうしようか考えている方、
瀬戸際で選択を迫られ迷っておられる方、
踏み切った跡がイケナイ倦怠期まっただ中の方に
今とこれからを受容すべく、ぜひともオススメしたい内容でした。

と、珍しくデスマスで書いてみました。
印象、変わりましたでしょうか?
それではみなさま、また次回で。
ごきげんよう。