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2. 共闘と競争




細胞分裂が始まるのは、たった一個の精子が卵子にたどり着いたからで、
数多いる同胞との競争に勝ち抜いたから目的を達成できたんだ、
と思い込んでいたけれど、違ってた。
実は結構な数がたどり着いていて、そのほとんどが卵子の細胞膜を破るのにバンザイアタックで討ち死にしてるらしく、そうして薄くなった最後の皮を偶然、破った一個が本懐を成し遂げているらしい。

その一個の気持ちになったらばきっと
「ここへくるまでに払った仲間の多大な犠牲を、俺は忘れない! きっと立派な人間になって下界へ降り立つことを、皆に約束する!」
で、仲間たちからしたら
「おう、お前は俺たちの誇りだ! その足でどこまでも遠く、俺たちの夢を運んで進んでくれ!」
だろうなぁ、とかなんとか。(NR妄想)

賞を取るとかデビューするとか、すでにポイントを上げるとかも、
モチベーションにないなと言えば不思議がられ、
じゃあなんのために? と首を傾げられるこの趣味のカキモノ生活。
けれどこの無駄な一部始終も、たった一つが掴む栄光のための底上げ、
踏まれて乗り越える台になれていたならそれも悪くないよな、と思ってる。
なにせどうあがいてもほとんどが、このポジションを担うわけだし。
嫌気がさして諦めるより、
少しでも底上げるため手は抜けないぜ、と思ってる方が闘志もわいていい。
そう言う着眼点と発想で。